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日本オリーブ株式会社 常務取締役 服部 信彦様 研究開発部次長 徐 恵美様 インタビュー
- 更新日
- 2020.4.6
戦時中の1942年に「牛窓オリーブ園」を開園してから70余年、オリーブ研究日本一を掲げ、オリーブのさまざまな有効活用を実現してきた日本オリーブ株式会社。1973年には世界で初めて、オリーブ果汁配合の化粧水を製造するなど、化粧用オリーブオイルで多くの実績があります。
今回は、研究開発部次長の徐 恵美さんに商品の魅力や開発秘話を、常務取締役の服部 信彦様に今後の海外展開や目標について、お話しを伺いました。
第1号商品の「オリーブマノン 化粧用オリーブオイル」が70年を超えて愛され続けている
―まず研究開発部次長の徐さんにお話をお伺いします。御社のロングセラー商品についてお話しいただけますでしょうか?
徐氏:
はい。弊社の第1号商品「オリーブマノン 化粧用オリーブオイル」が昨年70周年を迎えました。保湿剤、マッサージ、パック、クレンジングなどさまざまな用途があり、頭から指先まで、全身に使用できる万能オイルです。おかげさまで世代を超えてご愛顧いただいております。
―70年以上続く商品があるのはすごいですね!新商品はありますでしょうか?
徐氏:
最近新しく発売した商品は、「オリーブマノン オリーブオイルクレンジング」です。先ほどご紹介した「オリーブマノン化粧用オリーブオイル」のクレンジングの用途に特化した商品で、洗い流せるオリーブオイルというのが商品コンセプトです。
容量は155mlで、本体価格が2800円です。ターゲットは40代から60代で、自然の恩恵を享受したいという自然派志向の女性を想定しています。
―ありがとうございます。「オリーブマノン オリーブオイルクレンジング」の魅力や特徴はどんなところでしょうか?
徐氏:
「オリーブマノン オリーブオイルクレンジング」の主成分はオリーブオイルです。洗い流せるように植物由来の活性剤を、保湿や肌ケアのためにオリーブ成分(オリーブ果汁、オリーブ葉エキス、スクワラン)や甘草、大豆などの植物由来の成分を配合しました。
オリーブオイルが肌に不要なメイクを浮かび上がらせ、肌に必要な成分は残します。ですので、汚れを落としながらも、オリーブをはじめとする植物由来成分が肌の角層まで浸透。クレンジングした後の肌は、吸水能や水分を保つ能力が高まります。
オリーブオイルを基盤に漢方や他の植物の成分も取り入れている
―なぜクレンジングに特化した商品を開発されたのでしょうか?
徐氏:
スキンケアの基本は、洗浄・保湿・保護ですが、弊社は設立当初から洗浄の大切さに着目してスリーステップ洗顔を推奨して参りました。お肌の汚れは3種類あり、それぞれに応じた洗浄をすることでお肌の負担にならず、しかも汚れもきれいに落とせるという考え方です。
具体的には、油性の汚れをクレンジングで、水性の汚れを洗顔で、肌深部の汚れを洗顔パックで落とすことで、お肌に負担をかけることなく、汚れをしっかり落とすことができます。くわえて、まったく水を使わずにオイルや乳液などを拭き取ることで洗い流しでは実現できないようなもっちりとした洗い上がりになります。ただ、このなかのクレンジングに関して、「洗い流したい」というお声を頂戴することが多くなってきたことから、新商品を開発しました。
―お客様の細かいニーズに応えていらっしゃいますね。開発時にご苦労された点を教えていただけますでしょうか。
徐氏:
強くこすらなくても、肌になじませるだけで汚れが落ちることは、オリーブオイルを高配合することで実現できました。ですが、さらっと落ちる、べたつかない、ヌルヌルしない、というように洗い流した時の使用感をなるべくよくすることが課題でした。この使用感は、活性剤の種類と量で決まるのですが、さまざまな条件を満たす活性剤の選定と配合量の決定に苦労しました。
というのも、完成までにさまざまなクリアすべき条件があったのです。主なものだけをお話しします。まず活性剤が植物由来であること。他にも、オリーブオイルに適していること、肌に必要な皮脂や角質細胞間脂質や天然保湿因子まで取り除かないこと、洗い流しに時間がかからないこと、使用感がよいことなどがありました。
―徐さんへの質問は最後になります。御社の魅力、ブランドの魅力はどのようなところでしょうか?
徐氏:
オリーブ専門家集団として、身体の内外からすこやかさと素肌美を提案している会社だというところです。オリーブの栽培から基礎研究・商品開発・製造販売までを一貫して行っており、オリーブの効果や特長を最大限に生かしたものづくりを行っているところも魅力だと感じています。
また、オリーブマノンブランドは、100%純粋オリーブオイルからスタートしました。オリーブオイルを基盤に、肌に優しい自然派化粧品を作っていくなかで、漢方にも着目し、紫根・当帰を取り入れています。
さらに、オリーブ果汁やオリーブ葉エキスなどの独自素材を開発。他にも美容効果を高めるために、ビタミンや植物由来機能性成分も取り入れるなど、70年以上にわたり研究、商品開発を行い続けているブランドです。
中国で20年以上販売。今後も中国や東南アジアを中心に展開していく
―続いて常務取締役の服部さんにお話しを伺います。 海外ではどの国で販売されていますでしょうか?
服部氏:
よろしくお願いいたします。現在は販売数が多い順に、中国、シンガポール、マレーシア、ベトナムにて弊社の商品をご購入いただいております。
国別の購入者の割合は中国55%、シンガポール25%、マレーシア15%、ベトナム5%です。ベトナム以外はいずれも中華系の方々が主な顧客層です。
―既に海外にも広く販売されているのですね。今度の海外展開はどのように考えていますか?
服部氏:
まずは現在販売している中国、シンガポール、マレーシア、ベトナムで着実に拡大し、ブランドを定着させていきたいと考えています。中国は20年以上販売していますが、特に人口が多いことにくわえ、消費者ニーズが価格やブランド重視から、よりそれぞれのお客様にあった品質重視かつコストパフォーマンスが高い商品を好む段階に近づいているため、今後も力を入れていきたいです。弊社の商品にとっては品質とコストパフォーマンスで必ずや選んでいただける好機であると考えております。まずはブランドをしっかりと定着させ、売り上げを日本同等まで高めることが目標です。
―東南アジアでの展開については、いかがでしょうか。
服部氏:
まだ販売をしていない国では、タイに興味があります。ベトナムは3年前から販売を開始しました。ベトナムについては経済が急速に発展しているものの、今はまだ高いものと低いものに市場が二極化しており、価格を重視する傾向が依然として強いと感じています。ですが、今後すぐに中国同様の流れがくると考えているので、売り上げ構築前にブランドイメージの定着や、ファン層の獲得をこの1~2年で進めていきたいです。その他東南アジアについても、進出の機会があれば、同じような考えで進めたいです。
―海外進出において、障壁と感じることはありますでしょうか?
服部氏:
商品の認可や法律の問題が、障害になる場合が多いです。また、中小企業の弊社にとっては人材の確保(日本・海外現地両方)にも障害を感じています。
1942年の「牛窓オリーブ園」開園以来、オリーブ研究日本一を掲げてきた。売上10億円が目標
―今後の目標を教えてください。
服部氏:
海外のみで売上規模10億円を目標としています。その実現に向けて、現在販売している国を中心としながら、東南アジアにもブランドを定着させ、売り上げも日本と同じ規模に拡大させたいと思っています。特に、弊社商品の品質をお客様に直接訴求できるSPAや美容院、小売店、SNSを通して、今後も活動を続けていきたいと思います。
―小売店様、バイヤー様へのメッセージをいただけましたら幸いです。
服部氏:
弊社は1942年に「牛窓オリーブ園」を開園して以来、オリーブ専門家集団として、長年の歴史と実績を積んできました。商品は品質を一番にこだわっており、肌にお悩みがあるお客様や、肌に合う化粧品がなかなか見つからないお客様にご好評をいただいております。
日本以外でも、お客様の肌悩みの解決に向けて、商品を広めていきたいと思っております。ぜひ一緒に商品の魅力を伝えていくパートナーとなっていただければと思います。
―本日は、ありがとうございました。
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