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株式会社北の達人コーポレーション 商品企画・開発担当者 筧 朋彦様 インタビュー

更新日
2020.6.22

実感主義に基づいて、化粧品・健康食品の開発から販売、カスタマーサービスを一貫して行うブランドが「北の快適工房」。細部までこだわり抜いた商品開発で、国内売上No.1のロングセラー商品を展開しています。

今回は、「北の快適工房」を運営する、株式会社北の達人コーポレーション商品企画・開発担当者の筧 朋彦(かけいともひこ)様に、ロングセラー商品や商品開発へのこだわり、今後の展開についてお話を伺いました。

日本一売れている家庭用オリゴ糖食品「カイテキオリゴ」と、国内売上NO.1の「ヒアロディープパッチ」が主力 *1

―最初に、ロングセラーや主力商品を教えてください。

筧氏:

はい。ロングセラー商品は2つあります。最初に爆発的な人気が出た商品は、発売から14年経つロングセラー商品「カイテキオリゴ」です。これは、飲み物や食べ物に混ぜるだけで、便通を改善する粉末のオリゴ糖食品です。

「カイテキオリゴ」が一般的なオリゴ糖食品と大きく異なる特徴は、EOS理論に基づいて5種類もの便通改善成分となるオリゴ糖を配合していることです。「腸内の様々なビフィズス菌(善玉菌)が好む、複数のオリゴ糖を組み合わせることで相乗効果を出す」という我々が考案した「EOS理論」は、学術界において画期的な理論としても注目され、配合特許を取得しています(特許代6328422号)。このアイデアに出会い、よりよい実感のために研究を重ねたことで「カイテキオリゴ」は誕生しました。

そして、今では日本で一番売れている家庭用オリゴ糖食品となっています。また、研究を重ねたことで、日本で初めて5種類の便通改善成分を配合した機能性表示食品として消費者庁に受理されています。

―日本で一番売れているのは、高い製品力の証拠ですね。もう一つのロングセラー商品も教えてください

筧氏:

ありがとうございます。次は国内売上No.1の「ヒアロディープパッチ」です。*1 「ヒアロディープパッチ」は週に一度貼って寝ることで、目立ちやすい口元のほうれい線や、目の下のたるみ、乾燥小じわのお悩みを解決する、プレミアムナイトケアです。

医療の現場で使われているマイクロニードル技術を参考に、ヒアルロン酸や美容成分を、ミクロ単位の超微細な突起型ニードルに形成しました。そうすることで、肌の深部(角質層)まで成分を浸透させることができます。

就寝中にニードルが肌内部(角質層)で溶け出すことで、お悩みの箇所がふっくらと潤い、翌朝にはこれまでにないハリと弾力を実感できます。

北の快適工房の開発ルールは「びっくりするほど良い商品ができたときにしか発売しないこと」

―2種類の商品で日本一を達成しているのはすごいですね。なぜここまでのヒット商品を開発できたのでしょうか?

筧氏:

ありがとうございます。北の快適工房には、一つのシンプルな開発ルールがあります。それは「びっくりするほど良い商品ができたときにしか発売しないこと」です。化粧品や健康食品は「理論上効果があるとされている」という成分が溢れかえっていますよね。

ですが私たちは、あくまでもデータはデータとして、「実際に体感できるかどうか」のモニター調査に、多くの時間をかけています。

その上で再度、類似成分と比較して「本当にこれが一番良いと言えるのか」を検証し、何度もモニター調査を行います。その結果が「びっくりするほど良かった場合のみ」商品化しています。

―モニター調査に時間をかけているとのことですが、具体的にどのような取り組みをしていますか?

筧氏:

一般的にモニター調査は、自社製品の愛用者に依頼しているため、評価に偏りが発生してしまいがちですが、開発者の思いで数字に偏りが出ないようにすることや、いわゆるプラセボ効果が発生しないために運用自体は専属の部署を設置しています。そのため、社内事情は一切考慮されないようなモニターを実施できる体制になっています。また、スクリーニングや統計も客観的に判断できるよう、外部に委託しており、モニターへの評価項目は、臨床試験と同様レベルの内容を設置しているので、その内容やクリア基準値はかなり厳しく、業界内の商品開発ではありえないような厳しいレベルのようです。

これまで数多くの商品企画を立ち上げてきましたが、この厳しいモニター調査をくぐり抜け、商品化に至るのは1割程度です。

一定基準の実感度を超えることは高いハードルですが、お客様が効果を実感し、永く愛され続ける商品開発に取り組める環境が整っているので、私たちはやりがいと魅力を感じています。

―ここまで徹底したモニター調査を行っているのは、すごいですね。他にも商品開発へのこだわりがあれば教えてください。

筧氏:

弊社は自社内にカスタマーサービスを設けており、専属のカウンセラーがお客様のお悩みの相談を受けています。自社内に設けているからこそ、商品開発者はお客様のお悩みをダイレクトに吸い上げることが可能となっています。

そして、製品仕上げ後の安定性のチェック、委託工場や製造元選定時のチェックなど、弊社オリジナルのチェック項目が750項目以上あります。製造委託先に丸投げせずに、自分たちの目で管理することを徹底しているので、チェック項目をクリアするために、何度も社内と社外を奔走しました。

苦労の甲斐もあり、他社様がまねできない高品質な商品を生み出すことができました。中には、商品企画から発売まで4~5年を費やしたものもあります。他社様と比べて商品開発スピードは遅くなってしまいますが、お悩みを抱えるお客様に寄り添い、こだわり抜いて生まれた33商品を発売しています。(2020年6月現在)

販売個数100万個よりも、悩みが解決した嬉しい声100万件を目標に、実感主義に基づいた商品開発を続けていく

―続いて、今後の展開について教えてください。海外での販売実績はありますか?

筧氏:

台湾にて、アイキララ(目の下のクマ専用アイクリーム)、ハンドピュレナ(手の甲専用ハンドクリーム)、二十年ほいっぷ(保湿+くすみ落としの両立を叶える超極小弾力泡石けん)の3商品を展開しています。

―今後の海外展開の計画や、障壁と考えていることがあれば、教えてください。

筧氏:

海外展開は、今後も台湾での事業拡大に注力していきます。

障壁に感じているのは、言語の部分です。日本で効果的だった商品説明やキャッチコピーを、ただ単に翻訳すればいいというわけではなく、現地の文化や価値観に合わせて、ゼロから考えて作らなければならないためです。

―中国に対してのご意向があれば、教えてください。

筧氏:

弊社は定期購入のビジネスモデルを採用していますが、中国では定期購入の文化が日本ほど浸透していないので、現時点での進出は難しいと考えています。しかし中国に限らず、世界は常に変化しているので、チャンスがあればいつでも進出できるように体制を強化していきます。

―ありがとうございました。最後に、今後の目標について教えてください。

筧氏:

弊社は実感主義に基づいた商品開発を行っております。なので、販売個数100万個よりも、お悩みが解決した嬉しいお声を、100万件いただくことが目標です。

*1 マイクロニードル市場において*