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株式会社KESEMO MARINUS(ケセモマリナス) 代表取締役 斎藤まゆみ様 インタビュー
- 更新日
- 2020.3.23
宮城県気仙沼市の上質なフカヒレを贅沢に使った化粧品を手掛けるのが株式会社KESEMO MORINUS。東日本大震災を乗り越えて開発された化粧品は高い保湿力と持続力を誇ります。
今回は代表取締役の斎藤まゆみさんに、株式会社KESEMO MORINUS誕生のエピソードや、商品の魅力についてお話を伺いました。
海の恵みで東日本大震災からの復興を目指してきたKESEMO MARINUS
-KESEMO MARINUS誕生のきっかけは、東日本大震災だと伺いました。もし差し支えなければ、当時のエピソードを教えていただけますか?
斎藤氏:
はい。まず私は、日本有数の漁港として知られている気仙沼で、カジキマグロやヨシキリザメを獲る、有限会社まるきた商店の代表取締役社長です。東日本大震災で陸上の会社がすべて流出し、失い、被害額は2億円を超えました。
太平洋上で操業していた2隻が無事で、その船での収入だけが頼りでした。しかし、震災の影響で魚価が下落し、陸上の従業員のみならず漁船員30名の雇用もままならない状況に陥ってしまいました。
その後、2013年に「元に戻す」だけでなく「新たなものを生む」復興をと、菅原気仙沼市長の声掛けによって設立された「気仙沼水産資源活用研究会」のメンバーに参画したのです。自社の復興も重要でしたが「水産資源に新しい価値を見いだし、気仙沼ならではの商品を開発する」という目標に賛同したのが参画の理由でした。
―大変なご苦労をされたのですね・・・ その後、どのような流れでKESEMO MARINUSが誕生したのでしょうか?
斎藤氏:
はい。気仙沼のフカヒレは生産量日本一であるとともに、フカヒレは“美肌食”としても知られています。このフカヒレの美肌効果を、化粧品で多くの方に届けたいと考えて化粧品開発グループに所属したのが、美容に関わるきっかけになりました。もともと化粧品やスキンケア、美容は好きだったので、一から化粧品をつくることにワクワクしました。
そして、産学官が連携して気仙沼特産のサメのコラーゲンを活用した化粧品の研究・開発を進め、2015年に販売開始しました。
―様々な逆境を乗り越えて、できた商品なのですね。
斎藤氏:
そうなんです。ですので、海からの恵みを受けて生きてきた私たちにとって、商品を通じてその恩恵をもっと多くの方にお届けしたいと想っていました。そのためには、どうすればいいのかと。
いろいろ考えてようやくたどり着いたのが、フカヒレコラーゲンでした。海の恵みを最大限に活かして、お肌にやさしく安心安全な商品づくりを目指しています。
その甲斐あって、気仙沼産フカヒレ加工品の品質の良さを、原料メーカーさんに喜んでいただけたことはとても嬉しいことでした。
-いろいろな方の想いがつまった商品ですね。KESEMO MARINUSにはどのような想いがあるのでしょう?
斎藤氏:
気仙沼水産資源活用研究会のブランド「kesemo」は、「気仙沼から、もっと」の意味を持ちます。そして、kesemoの化粧品ブランドが「MARINUS:マリナス」です。海の恵みを最大限に活かした商品をお届けしたいという想いを込めて、海(MARIN)を入れた名前をつけたかったのです。
ちなみに「KESEMO MARINUS」はkesemo商品の販売会社として事業を営んでいます。
気仙沼産の非加熱フカコラーゲンを全品に配合し、高い保湿力と持続力を実現
―KESEMO MARINUSの中で、最も売れている商品と、その特徴を教えていただけますか。
斎藤氏:
最も売れているのは、ミスト状の化粧水「フカコラーゲンミスト」です。性別・年代に関わらずお使いいただけます。
リピート率が高いのは「フカコラーゲンクリーム」です。乾燥が厳しい気仙沼の冬でも、肌のうるおいを守ることができるクリームが欲しいと感じ、開発した製品です。夜に使用すると翌朝までうるおいが続く優れた保湿力と持続性が特徴で、「寝る前よりも肌がうるおっている」「明日の自信になる」と好評です。ずっと愛用いただいているお客様も多いことから、MARINUSのスター製品です。
これらの商品は、使用感は異なっていても、優れた保湿力を持つ非加熱フカコラーゲンを配合していますので、お肌のお手入れの基本である「乾燥を防ぐ」「うるおいを持続させる」ことが期待できます。乾燥に揺らがない、いい状態の肌を育てるための基本を大切にしてつくっています。
―高い保湿力がとても魅力的ですね。どのようなお客様を想定して開発されていますか?
斎藤氏:
ご自身の健康とともにお肌を大切に考えている方、仕事や家事などで忙しく限られた時間の中でスキンケアを続けたいと思う方。ブランドや価格だけで判断せず、ご自身で使ってみて良いかどうか判断したい方など、モノの選択基準をご自身の中にしっかり持っていらっしゃって、前向きな女性をイメージして開発しています。
価格の面からも使い続けていただきやすいよう、フカコラーゲンミストは3,000円(税別)、フカコラーゲンクリームは5,000円(税別)とお求めやすくしています。
フカコラーゲン以外にも、気仙沼の美容資源の発掘を継続中
―御社の強みと事業戦略を教えてください。
斎藤氏:
まず、配合しているフカコラーゲンの美容成分の原料が気仙沼産なので、トレーサビリティが確保されていること。そして地元のお客様が多く、直接声を聴く機会に恵まれているため、製品のブラッシュアップができることですね。
事業戦略としては、フカコラーゲン以外にも、気仙沼の美容資源の発掘を継続中です。そのひとつとして、2018年7月には老舗蔵元の酒粕エキスを抽出して原料化。先行してフカコラーゲンジェルとフカコラーゲンミストに配合しています。
―海外展開は検討されていますか?
斎藤氏:
海外展開に関してはまだ情報を集めている段階で、状況に応じて今後の販売につなげていきたいと考えています。ただ、台湾やイスラム系の国には興味があります。
台湾は親日色が濃い国なので、日本製で優れたものであれば、受け入れてもらえる可能性を秘めていると感じています。イスラム系に関しては、コラーゲンの原料が豚ではなくフカヒレコラーゲンであることをうまく伝えることができれば、手に取ってもらえるかもしれないと思いました。
―海外進出において、障壁と感じていることはありますか?
斎藤氏:
そうですね。サメ原料であることで、商品の品質以前に受け入れられない可能性があることを懸念しています。動物原料がNGなのは、国民性や思想背景もあるので難しいことではあります。ですが、サメに関しての拒否反応は誤認識もあると思うので、乗り越えられない障壁ではないと思っています。
また、輸出に係る手続きは対象となる国によって関わってくる法律が異なるため、専任の人員を確保して対応しなければならないと感じていますが、その人員確保が難しそうです。
気仙沼産のフカコラーゲンをもっともっと広めていきたい
―今後、どのように商品を流通していきたいとお考えでしょうか?
斎藤氏:
お客様に対し、直接丁寧に商品説明や使い方をレクチャーしていただける、美容院やエステサロンなどを中心とした流通を目指し、商品を通じて気仙沼を発信していきたいです。
―最後に、小売店様、バイヤー様へのメッセージをいただけましたら幸いです。
斎藤氏:
弊社が使用するフカヒレは、原料メーカーさんに「欲しかったフカヒレがここにあった!」と言っていただけるほど、質に自信があります。
この上質なフカヒレから抽出したフカコラーゲンをメインに、地元の美容成分を配合したMARINUS:マリナス」は皮膚科専門医による監修で保湿効果を検証しています。その結果、刺激がないこと、高い保湿効果を認められました。
船主の仕事と兼業なので、気仙沼を離れられないこともありますが、ご興味を持っていただいたバイヤー様には、できるだけ直接対応したいと思っております。
まだ復興途中の気仙沼ですが、豊かな漁業資源や美容成分の原料産地としてお勧めしたいです。ご訪問も歓迎いたします。道半ばではありますが、化粧品に関わる産業を生み出し、雇用を創出することで、地域を元気にすることを最終目標に揚げています。
―本日は、ありがとうございました。
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